投稿

7月, 2018の投稿を表示しています

「聴く」と「聞く」と「訊く」の違いは?

イメージ
      「人の話を聞くことが大切だ。」     よく耳にする言葉ですよね。 「耳にタコだよ、あたり前だ」といって聞き流す前に、 その意味について、少し考えてみましょう。   そもそも「聞く」とは何でしょうか? 私は、3つの「きく」があると思うのです。   まず、1つ目は「訊く」。 「駅はどっちの方向ですか?」と道を訊かれたときなど。 知っていれば、思い出す必要もなく、反射的に答えられます。 知らなければ「知りません」と答えるだけです。 訊く人も訊かれる人も、ほとんど頭をつかうことはありません。   2つ目は「聞く」。 「以前に同じトラブルってありました?」など。 相手の経験や専門知識などを教えてもらうことです。 聞く人は質問を考えますし、 聞かれる人は、記憶を探って答えます。 どちらも頭を使います。   そして3つ目は「聴く」です。 「聴く」という文字には、耳だけではなく目と心が含まれています。 聴く側は、頭だけでなく心(感情)も使って、 相手の表情をしっかり見て、共感しながら聴くのです。   その質問内容も、たとえば、 「本当に困っていることは何ですか?」 「何が本当の望みなのですか?」など、 相手が、普段意識して考えたことがないことを聴くのです。   考えたことがない質問に、すぐに答は浮かんでこないでしょう。 でも、じっくり考えているうちに、 「あっ、これだ!」とか、 「やっぱり、そうなんだ!」 といった気づきが、 答が見つかった喜びの感情と共に生まれるのです。   「気づき」とは、聴かれた質問を深く考えることによって、 無意識領域にあった「モヤモヤした答」が言語化されることです。 「気づきを得た」「アイデアが生まれた」とは、このプロセスの結果なのです。     答の言語化は、前意識領域が無意識領域に拡が

人間の「幅」を広げるために

イメージ
      人間が能力を高めるためのひとつの方法は、 知識を増やし、経験を積むことで、 前意識を深め、その面積を広げることです。   もうひとつの方法として、 前意識を横方向に広げることによって、 その面積を増やす方法もあります。   以前のブログで説明したように、 意識の三角形の横軸は考え方や価値観です。 前意識を広げる、ということは考え方や価値観を広げることです。   「私が正しい。これ以外に正解はない。」と思うのではなく、 「ひょっとすると、私が間違っているのかも?」 「この人の考え方も、一理あるよね。」 と思ってみることです。   つまり「私が絶対に正しい!」という思いを横に置いて、 「ひょっとすると、この人の言うことも正しいのかも?」 と思えるようになることが、自分の成長になるのです。   そのために大切な手法が傾聴と共感です。 論理的に相手を否定・批判することなく、まずは受け止める。 相手の感情を共有することを意識して、真剣に話を聴く。   「自分とは全く話が合わない」と最初は思っていても、 真剣に話を聴くことを意識しているうちに、 「なるほど、分かるなあ」と思えるところが部分的に生まれます。   これが共感です。 共感が、相手に対する興味・関心・好奇心を生みます。 これが前意識の面積を広げることになるのです。