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「聴く」ことが他者を成長させる

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「聴く」ことが他者を成長させる     考え続けることで前意識は深くなる。 これが人の成長だ。 以前のブログでは、そのように書きました。   でも、考え続けるって苦しくないですか? 考えることは頭を使うこと。 とても疲れますよね。 「本当に知りたい!」といった、よほど強い意志がないと 考え続けることは難しいように思います。   一方で、最近ではインターネット、データベース、AIが急速に進化しています。 難しい言葉が出てきたら「ググればいい」。 自分で考える必要はない。 答はAIスピーカーが教えてくれます。   テクノロジーの進化は人間から考える力を奪ってしまいます。 AIとロボットによる地球征服劇は徐々に始まっているのかもしれません。   こういった時代だからこそ人間は成長を続けないといけないのです。 でも「考え続ける」以外に能力を高める方法はあるのでしょうか? そのひとつは、誰かから自分に「質問してもらう」ことです。   「一番大切なものは何?」 「そもそも何が問題なの?」 「あなたはどうなりたいの?」 「本当にやりたいことは何?」   そういった本質的な質問をしてもらう。 こちらが考えて答えるまで、黙って待っていてもらう。 そうすれば、意識は前意識の中に入っていきます。 記憶を探っていくのです。   そして記憶の中にないことがわかると、 さらに深く無意識領域にまで潜っていきます。 そうしているうちに、 「あっ、そうだ!」と気づきます。   これが無意識領域にあった「言葉になっていない答」が言葉になった瞬間です。 無意識の最上位にあった答が前意識に浮かんできた瞬間です。     AIではなく人間の力を借りる。 本質的な質問をしてもらう。 自分の言葉を否定することなく黙って聴いてもらう。 これによって人間は能力

人の成長とは何か?

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人の成長とは何か?       前意識の面積を広げることで、どんな人も「できる」人になります。 そのために必要なことは知識を増やし、経験を重ねることです。   「知識を増やすって、本を読んで勉強すること?」 それも大切なのですが、 単に本を読んでも頭に入らない場合もあります。 また、何年経験しても、一向に仕事を覚えられない人もいます。   時間をとって勉強しても、時間をかけて経験を積んでも 知識が定着しないと前意識の面積は広がりません。   どうすれば知識は定着するのでしょうか? その答は「気づき」にあります。   「あっ、そうだったんだ!」 「なるほど、そうなんですね。」 「わかった!答はこれだ!」 そういった気づきがあると、知識は脳に定着します。 そして前意識は無意識領域に向けて深まっていくことで面積が広がり、 人は成長するのです。     昔、私が半導体のエンジニアだったときのこと。 量産工場で品質不良が多発したことがありました。 何百工程もあるプロセスのなかで、 考えられる問題点を徹底的に実験で全てつぶしていきました。   結果は全てシロ。 1カ月以上かかっても原因がわかりません。 私は必死で考えました。   そして、ある夜。 夢の中に答が出てきたのです。 「ガスは圧力の低い方から高い方にも流れている。」 というのが、その答でした。   ガス配管の中の流れは川の流れのようなものです。 水は高い方から低い方に流れるものです。 川をさかのぼって流れるなんて、ありえない!   そう思っていたのですが、実は違う。 それが夢の中で出てきたのです。   次の日、朝になるのを待ちかねて会社に向かいました。 そして実験をしてみると…。 まさに予想とピッタリの結果が得られたのです。 これに

人の能力とは何か?

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人の能力とは何か?     「あの人はできる!」「あいつはダメだな…」 職場にいるといつも聞こえてくる言葉。 何をもって、そう決めつけているんでしょうか?   その基準のひとつは、人が記憶している情報量です。 「知識があるか、ないか」 「知っているか、知らないか」 学校の勉強などは、まさにそれだけで人を評価していますよね。     大学の時の友人に、専門書1冊を1分で暗記できる人がいました。 彼の勉強方法は、本を開いて、サッサッとめくっていくだけ。 最後までめくり終わったら本を閉じて「終わり」。   それだけで何ページの何行目に何が書いてあるか、全て頭に入っている。 だから試験の成績も抜群。 「頼むからその頭を、ちょっと分けてくれよー!」 私はいつも、そう思っていました。 彼は一種の「サバン症候群」だったのかもしれません。   まあ、そんな特殊な人は別として、 職場には ・専門知識に詳しい人(分からないときは、あの人に聞こう)、 ・マニュアルを熟知している人(彼は本当にミスをしないよね)、 ・20年の経験を持っている人(トラブル時には彼が頼りだ) など、多くの「できる人」がいますよね。   記憶している知識の量(経験も含めて)が多い人が「できる人」のひとつの条件。 こころの構造で考えると、それは「前意識の面積が広い人」です。 つまり前意識の面積を広げることが、人の成長だとも言えるのです。   また前意識の面積が広がれば広がるほど、 新たな知識を吸収しやすくなるのです。 そのメカニズムについては改めて話していきたいと思います。  

人の意識の構造とは?

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人の意識の構造とは?   現代の精神分析の創始者であるフロイトは、人のこころを意識、前意識、無意識という3つに分類しました。   「意識」とは、いま頭の中に浮かんでいる言葉です。「今日のお昼は何を食べようかなあ…」は意識です。この部分が「私」であるような気がするかもしれません。でも、その情報量は100bps(毎秒100ビット)にしか過ぎないと言われており、あとで説明する無意識領域の情報量の100万分の1程度だそうです。   「前意識」とは、「昨日は何を食べたっけ?あっそうだ、来々軒のラーメンだった!」のように思いだそうとすると出てくる記憶や、「私が一番大切にするものは周囲の人たちの笑顔なんだ!」といった個人的な思いです。   「無意識」とは、思い出そうとしても出て来ない、考えても思い浮かばない、でも、何か浮かんできそうでモヤモヤする気分、感覚、説明できない感情など、要するに言葉にできないものです。人の行動は、ほとんど無意識がつかさどっています。歩きだすときにどちらの足から前に出そうか?なんて考えませんよね。   先に述べたように無意識領域は意識領域よりもはるかに広く、それが行動を決めているのですから、「怒らずに部下の話を聴こう」と意識では思いながらも、ついつい「バカ、なに言ってるんだ!」が口をついて出てしまうのは、当然のことなのです。   「言っていることよりも、やっていることを見た方が、その人の本当の姿が見える」というのは、こういったメカニズムがあるからです。   「本当はやりたくないんだけど…」と思いながらも、しょうがなくやっていることって、ありますよね。そういうときは何かこころの奥底がモヤモヤして、つかえた感じがします。これは無意識のメッセージに気付いている、ということです。「こんなことに悩んでもしょうがないのに…」「ウジウジしている自分が嫌いだ」などとネガティブに考える人もいますが、実は、とても自然で好ましいことなのです。   逆に、全く悩むことなく上司からの命令に従っている人もいますよね。モヤモヤもウジウジもせず、素早く行動する。上司の受けもいい。出世が速い。うらやましく感じることもあるかもしれませ