組織風土改革で新たな飛躍に向かうために

組織風土改革で新たな飛躍に向かうために






IT化、グローバル化、コンプライアンス意識の高まり。

わたしたちは、いま、大きな外部環境の変化を迎えています。

いままでとは全く異なった仕事の仕方が求められているのです。

 

日本は第二次大戦後、Japan as No1 とまで呼ばれるように急成長しました。

その原動力になったのは、

周囲との調和を意識しながら、真面目にコツコツと自分の仕事に励む、

そんな国民性だったように思います。

 

この時代は5年後、10年後の未来が予測できた時代です。

長期計画を経営層が立案する。

計画に従って、多くの社員が与えられた職務に励む。

今が苦しくても、きっと将来は幸せになれる。

それを信じて頑張れた時代でした。

 

この時代にも今と変わらず多くの問題はありました。

でも、多くはロナルド・ハイフェッツの言葉を借りると、「技術的な問題」でした。

解き方は分かっていて、時間をかければ必ず解ける問題でした。

だから、ひたすら「頑張る」ことで会社も社員も幸せになれたのです。

 

ところが、いまの時代は違います。

GAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)を代表として

巨大資本が世界中の知識を集めてビジネスの世界を大きく変えています。

 

過去数十年に培った仕事のやり方が根本から覆されています。

もはや長期的な計画は意味がありません。

誰も未来を正確に予測することができないからです。

 

いままでの考え方では解くことのできない問題、

つまり「適応を要する課題」がいまの多くの問題です。

(環境問題、価値観の対立、SNSの問題など)

 

これを解決するには、新たな発想、アイデアで素早く対応することが不可欠です。

ビジネスを展開していく上で、時間が勝負なのです。

過去のように時間をかけて真面目にコツコツだけでは時代に適応できません。

 

静的(時間での変化が小さい)な問題は「要素還元主義」が有効でした。

どんなに大きな問題でも、細かく分けて部分部分で解決し、

それをもう一度組み上げることで解決していく。

そんなやり方です。

 

それに適した組織がピラミッド型組織です。

専門によって縦割りになっていて、

上から順に問題をおろし、

下から順に解決策を上げていく。

そんな組織が非常に効率的に機能していたのです。

 

ところが、いまの問題は動的です。

細かく分けて解決しても、再度合わせたときには、すでに状況が変化している。

結局は根本的な解決にはつながらない。

 

動的な問題解決のためには、

常に組織全体が連携し合って

同時に全体最適の意識で課題に取り組まねばならないのです。

 

そこではピラミッド型組織は機能しません。

問題意識を持った多才なメンバーが連携しあって自己組織化していく、

ダイナミックで柔軟な組織に変わっていく必要があるのです。

 

ところが、変わることは簡単ではありません。

人は本当に困らない限り変わろうとはしない動物だからです。

いまがなんとかなっているなら、変わったことはしたくない。

それが人間の本能です。

(これによって「ゆでガエル」になってしまうのですが…)

 

なぜ、変わることを嫌がるのか?

その最大の要因は「不安」にあるのではないでしょうか。

不安は未来が見えないことによって生じます。

真っ暗な部屋に踏み出していくのは、とても怖いのです。

 

今の時代、確実な未来予測は難しいですが、不可能ではありません。

暗いながらも小さなライトで照らす程度のことはできるのです。

そのライトは何か?というと、

「人間に対する知識」だと私は思っています。

 

技術の進化は早いですが、人間の進化は十万年レベルでしか起こりません。

だから、「人間とは、そもそもどんな生き物なのか?」を考えると

ある程度の方向性は見えてくるように思うのです。

 

そういう意味で、組織風土改革を展開していくにあたって、

脳科学、生理学、心理学、哲学、物理学の知識(ライト)を使って、

進む道を照らしていくことが大切だと私は思っています。

このブログも、そういう意味で活用いただければと思います。
 

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