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EGミーティングに向いている場所は?

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EGミーティングに向いている場所は? 「参加者みんなが思っていることを率直に話す」のがEGミーティングです。 でも、どうすれば本音が出やすい場になるのでしょうか?   そのポイントの一つは開催場所です。   会社で行う場合、まず普通に考えるのは会議室です。 でも、会議室には問題があります。   以前、ある会社の会議室でEGミーティングを開催したときのこと。 メンバーは若手の課長クラス。普段はよく話される人たちです。 ところが、そのときはなぜか最初から雰囲気が暗いのです。 「みなさん、どうされました?なんだか今日は暗い感じがしますけど…」 と私が言うと、一人の方が、 「この会議室には、イヤな思い出があるんですよ。  前の事業部長がコワイ人だったんです。 毎週月曜の朝一番、この会議室に管理職が集められて、  一人ずつ吊るしあげられてたんですよ。」 と話してくれたのです。   また、あるとき、別の会社で、 「すいません。今日は部屋がなくって…」と案内された部屋。 幅2メートル弱で長さが8メートルくらいの細長い部屋。 地下室のため、窓がなくて天井が低い。その上、照明が暗くて息苦しい。 まあ、しょうがないか…と思いながら始めたものの、 なかなか盛り上がらない。アイデアも出てこない。 暗―い雰囲気のまま消化不良で終わってしまった。 といったケースもありました。   また、会社の中にいると、どうしても今の仕事が気になります。 せっかくいい感じになっても、休憩時間に仕事モードに戻ってしまう。 呼び出しの電話がかかってくる(そんなに緊急でもなさそうなのに…)。 また、声が外に漏れる恐れもあります。 「この部屋には盗聴器が仕掛けてある…」という人もいました。   このような状況を避けるためには、思い切って会社の外で開催することをお勧めします。 場所を選ぶにあたっては以...

本当の対話とは?

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    最近「対話」という言葉をよく耳にするようになったと感じています。 SNS全盛の時代だからこそ、直接会って話をすることの大切さに気付く人が増えてきたからなのかもしれません。 でも「直接会って話す」ことだけが対話なのでしょうか?   先日お会いした某メーカーの管理職Aさんが、 「働き方改革で残業もさせられないのに、うちの会社でも1 on 1ミーティングが始まって大変ですよ。」 と嘆いていらっしゃいました。   「やり方とかを指導する研修はあったんですか?」と私が質問すると、 「人事からは2週間に1回、1時間の時間を取って面談室でやれ、と言われただけですけど。」 とのことでした。   「1 on 1ミーティング」も対話の一つです。 対話に必要なのは、人と時間と場所です。 だから人事の方がおっしゃるのは、そのとおりです。   でも、それだけでいいのでしょうか? ここで少し実際の面談のケースを考えてみましょう。   <ケースA> 上司:「どうだ、特に困ったことはないよね。」 部下:「はい。まあ…」 上司:「そうだよな。数字は問題なく推移しているものね。じゃあ、今日はいいかな?」 部下:「はい…」   <ケースB> 上司:「どうだ、困ったことはあるか?何でも言っていいぞ。」 部下:「社員食堂ですけど、もっとおいしくできないんでしょうか?」 上司:「バカ!何言ってるんだ。仕事で困ったことがあるか聞いてるんだ!」 部下:「 … 」   <ケースC> 上司:「忙しい中で、新人のメンターにもなって、大変だと思うけれども、なにか困ったことはある?どんな些細なことでもいいですよ。」 部下:「うーん、そうですねえ…。あっ、そういえば、新人のS君ですけど、お尻の具合が良くないみたいで…。会社のトイレを洗浄便座に変えてもらえないでしょうか?」 ...

「聴く」と「聞く」と「訊く」の違いは?

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      「人の話を聞くことが大切だ。」     よく耳にする言葉ですよね。 「耳にタコだよ、あたり前だ」といって聞き流す前に、 その意味について、少し考えてみましょう。   そもそも「聞く」とは何でしょうか? 私は、3つの「きく」があると思うのです。   まず、1つ目は「訊く」。 「駅はどっちの方向ですか?」と道を訊かれたときなど。 知っていれば、思い出す必要もなく、反射的に答えられます。 知らなければ「知りません」と答えるだけです。 訊く人も訊かれる人も、ほとんど頭をつかうことはありません。   2つ目は「聞く」。 「以前に同じトラブルってありました?」など。 相手の経験や専門知識などを教えてもらうことです。 聞く人は質問を考えますし、 聞かれる人は、記憶を探って答えます。 どちらも頭を使います。   そして3つ目は「聴く」です。 「聴く」という文字には、耳だけではなく目と心が含まれています。 聴く側は、頭だけでなく心(感情)も使って、 相手の表情をしっかり見て、共感しながら聴くのです。   その質問内容も、たとえば、 「本当に困っていることは何ですか?」 「何が本当の望みなのですか?」など、 相手が、普段意識して考えたことがないことを聴くのです。   考えたことがない質問に、すぐに答は浮かんでこないでしょう。 でも、じっくり考えているうちに、 「あっ、これだ!」とか、 「やっぱり、そうなんだ!」 といった気づきが、 答が見つかった喜びの感情と共に生まれるのです。   「気づき」とは、聴かれた質問を深く考えることによって、 無意識領域にあった「モヤモヤした答」が言語化されることです。 「気づきを得た」「アイデアが生...

人間の「幅」を広げるために

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      人間が能力を高めるためのひとつの方法は、 知識を増やし、経験を積むことで、 前意識を深め、その面積を広げることです。   もうひとつの方法として、 前意識を横方向に広げることによって、 その面積を増やす方法もあります。   以前のブログで説明したように、 意識の三角形の横軸は考え方や価値観です。 前意識を広げる、ということは考え方や価値観を広げることです。   「私が正しい。これ以外に正解はない。」と思うのではなく、 「ひょっとすると、私が間違っているのかも?」 「この人の考え方も、一理あるよね。」 と思ってみることです。   つまり「私が絶対に正しい!」という思いを横に置いて、 「ひょっとすると、この人の言うことも正しいのかも?」 と思えるようになることが、自分の成長になるのです。   そのために大切な手法が傾聴と共感です。 論理的に相手を否定・批判することなく、まずは受け止める。 相手の感情を共有することを意識して、真剣に話を聴く。   「自分とは全く話が合わない」と最初は思っていても、 真剣に話を聴くことを意識しているうちに、 「なるほど、分かるなあ」と思えるところが部分的に生まれます。   これが共感です。 共感が、相手に対する興味・関心・好奇心を生みます。 これが前意識の面積を広げることになるのです。